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『タンザニアの夜』を意味する石、タンザナイトは、その名が示すとおり、キリマンジャロの夕暮れ時の空を映し出したような美しい青紫色をしている。
タンザナイトは自然光の下では透明感に満ちた美しい群青色に、夜のライトのもとでは高貴な紫色に輝く。また、同時に青と紫を有したり、紫と赤を有することもある多色性が特徴である。
タンザナイトという名前からもわかるように、タンザナイトが産出されるのはタンザニアのメレラニ鉱山のみ。鉱物的にはゾイサイトに属し、硬度は6.5〜7。ブルーゾイサイトとも呼ばれているが、アメリカのティファニー社が「タンザナイト」と名づけ積極的にアメリカ国内で販売促進を試み、1980年代にはアメリカを中心に人気を呼ぶ石となった。
ところが、1998年にメレラニ鉱山を大洪水が襲った。そして地中深く掘り進められていたメレラニ鉱山一帯の鉱区を埋め尽くされ、74の鉱区が水に浸かり、中で作業していた200人以上の鉱夫が命を落としたといわれている。政府は遺体の収容と事故原因の調査のために鉱山を閉鎖。そのため、タンザナイトはまったく産出されなくなってしまった。その間も好景気に沸くアメリカでは、タンザナイトの需要は増し、結果として大粒で透明感のあるタンザナイトを中心に市場は高騰。タンザナイトは高値を呼ぶ石となった。 |
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2001年から鉱山が再開し、鉱山の主脈に沿って、大粒で質の良いタンザナイトが採れるようになり、その上アメリカ国内において株が暴落するなどの影響を受け、アメリカの国内にあるタンザナイトの在庫が放出された。
その結果、タンザナイトの価格は需要と供給のバランスから一時値を下げた。しかし2002年になってメレラニ鉱山で産出が減り始め、アメリカ経済も再び上向きになったことを受け、タンザナイトの価格も再び高騰し始めた。 |
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財産的な価値を伴うタンザナイトを選ぶためのポイントのひとつは、多色性に注目することだ。多色性とは見る角度や光の加減によって色が変わって見える性質を持つ石をいうが、タンザナイトはその傾向が強く出る石である。
例えばタンザナイトの場合は一般的な白熱灯の下では紫色なのに、蛍光灯の下では青色に変わる。このように異なる光のもとで色が変化するタンザナイトほど評価は高くなる。以前はタンザナイトがブルーサファイアに似ていたこともあり、多色性が少なく、青味が強いもののほうが高い評価を受けていたこともあった。しかし、タンザナイトはサファイアとはまったく違った観点から評価を下すものという動きに変化し、現在では多色性の強いものほど高い評価を得ている。
色に関しては濃い紫、濃い青が出るものほど財産的価値は上昇する。反対に、色が薄くなればなるほど価値は下がる。また、タンザナイトの原石そのものはインクルージョンが多い石であるが、それらのない部分を上手にカットしているため、ルース(裸石)はインクルージョン(内包物)が少なく、透明感のあるものが多い。
アメリカでの人気にとどまらず、タンザナイトは日本国内でも高い支持を受ける色石である。和服にもマッチする落ち着いたブルー、古くから日本では高貴な色とされた紫色という多色性に恵まれたことがその理由であろう。 |
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